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リネン生地の魅力とは? 特徴と初夏のワードローブ10選
日中は半袖の人も見かけるようになりました。少し早い初夏の訪れのような今日このごろですね。
初夏といえば、肌触りのよい質感や、涼しさを感じさせてくれるアイテムが欲しくなりますよね。特に恋しくなる素材と言えば、リネン。
リネンは通気性の良さやさらさらとした肌触りなど、初夏にぴったりな素材です。今回は、これからの季節にぴったりのリネン生地の歴史や特徴を作品とともにご紹介します!
リネンの原料は?
リネンを語る上で欠かせないのが、フラックスと呼ばれる亜麻科の植物です。フラックスはリネンの原料となる植物で、気温の低い地域で栽培されています。海外では、フランス北部のフランドル地方や、ベルギーが主な生産地として知られています。
フラックスは日本国内でも、古くは種を薬として使うために栽培されてきました。明治から昭和時代にかけて、繊維を使用するために北海道地方で多く生産されるようになりました。
フラックスの良いところは、生育がとても良く、除草剤や肥料などの力を借りなくとも栽培が可能というところです。そのため、地球環境に優しい植物とも言われています。こうした特徴を持つフラックスを乾燥させて、茎の繊維から取った糸がリネンと呼ばれています。
リネンと麻との違いは?
リネンは時に麻と呼ばれることも多いですが、実は、「麻」という言葉は植物の繊維を総称した呼び名なんです。
先ほど述べたように、リネンは、フラックスという植物の繊維から作られています。そのため、リネンは麻というジャンルの一つととらえることができます。
リネンの他にも、ラミー(苧麻 ちょま)、ジュート(黄麻)、ケナフ(洋麻)、ヘンプ(大麻)など、植物の繊維を使用した麻は数多く存在します。
その用途も様々で、リネンやラミーは主に衣類に、ジュートはカーペット類、ヘンプはロープなどに使用されています。
リネンの歴史。リネンは元々、どこで作られたもの?
今でこそ私たちにとってとても身近なリネン生地。一体いつ・どこで使われはじめたものなのでしょうか。実はリネンは、人類が使用した最古の繊維だと言われています。
有史で確認できる限り、リネンがはじめて繊維として使われ始めたのは、紀元前8000年頃。人類最古の文明・メソポタミア文明が生まれたチグリス川、ユーフラテス川付近のようです。
その後、エジプトで神事や儀式に使用されたり、古代ギリシャやローマでは上流階級が純白のリネンを大切にするなど、高級素材として大切に扱われます。そんなリネンがより一般的になったのは、12世紀のヨーロッパ。織物産業や技術が発展したことからリネンの織物が流行り、庶民にとっても身近なものになったのです。
西アジアを発端に、ヨーロッパを渡り、その過程で技術が進歩し高級品から一般的な素材に……。リネンという素材が、世界中で古くから愛されてきたことがよく分かります。
今でも、中世ヨーロッパで使われていたアンティークリネンは貴重なものとして、高値で取引されているそうですよ。
リネンの4つの特徴
・使えば使うほど、肌になじむ柔らかさ
リネンといえば、あのなんとも言えない肌触りが特徴ですよね。はじめは、しゃりしゃりっと固めの質感でも、洗えば洗うほど柔らかな質感になっていきます。時間をかけて、使えば使うほどに、肌に馴染んでいくのがリネンの魅力です。
・丈夫で長持ちする
生地が丈夫で長持ちするかどうか。長く使いたいお洋服を選ぶうえで、意外と大切なポイントかと思います。植物由来のリネンは、繊維がしっかりした生地であるために、耐久性も安心◎ さらに水を吸収すると繊維の強さが増すため、洗濯を繰り返しても丈夫さが保たれます。
・汚れにくい
リネンは、繊維に含まれるペクチンの効果で、汚れが染み込みにくく、うっかり汚してしまっても汚れを落としやすいのだそう。洗濯にも強いから、衛生面においても安心です。そのため、キッチンクロスとしても使われています。
・通気性と保湿性
リネンと言えばまず思い浮かぶのが通気性の良さ。夏場には汗など余計な水分をすぐに外に逃がしてくれます。それだけではなく、繊維の中に空洞があるから、冬場には体温で温まった空気を含んでくれます。夏のイメージが強いリネンですが、内側に着こむことで冬場にも活躍してくれる素材です。
今年の春夏はこれ!リネンを使ったファッションアイテム
ご紹介した以外にも、発色の良さや毛羽立ちにくさなど、たくさんの魅力があるリネン生地。Creemaでも、リネン生地を使用した洋服やバッグは注目を集めています。
今回は、この春夏を快適&おしゃれに彩ってくれる、おすすめのファッションアイテムをご紹介します!
初夏らしさもあり着心地も快適!リネンのファッションアイテム10選
一枚は持っておきたい…、そんな気持ちにさせてくれるConon Chucleさんのオフホワイトのブラウス。襟ぐりと袖口のギャザーがかわいらしく、重ね着はもちろん、一枚で着てもさまになります。
色もののリネンもやっぱりほしい…。デザイナーThis.さんのシャツブラウスは落ち着きのあるオレンジ色。点々と並ぶ後ろボタンがなんとも可愛らしいデザインです。
柄もののリネンブラウスも魅力的。Mauve pinkさんのブラウスはギンガムチェック。生地のくたっとした表情、ほのかなツヤがチェック柄とよく合います。
こんな色があったなんて…。思わず目を留めてしまうmako&rokoさんのロイヤルブルーのワンピース。首元と袖口に配されたシルバーボタンがポイントです。
この春夏、大注目の大人サロペット。A.R.T.さんの一枚は、ワイド目のパンツ幅ですっきりと楽に着られるそうです。後ろリボンにチラと見えるリバティプリントがかわいいです。
onomatopeeさんのワンピースは、“袖ふんわり”が可愛らしい上に、襟の取り外しもできるんです。きちんとしたシーンにも、カジュアルなシーにも活躍してくれる一枚です。
ほんのりくすんだピンク色が可愛らしい、tokotoko krさんのギャザーたっぷりスカート。丈も長めで、足元をきれいに見せてくれそうです。
パンツ派の方には、Tutu-natureさんのマキシ丈ワイドパンツがおすすめ。ウエスト前部分にタックが入っているので、おなかまわりもスッキリ見せてくれます。
リピーターさんも多い、IENさんオリジナルの人気作品。ざっくりした織りで風通しよく、ゆったりシルエットは密着感がないのでさらりと羽織れるそうですよ。
エプロンのような、ワンピースのような、どちらでも“おしゃれ見え”するのはcocochi.さんの作品。リボンを前にしても後ろにしても、両方かわいい一枚です。
今から着はじめて、長く楽しんで。
じめじめとした梅雨や、蒸し暑い夏になると恋しくなるリネン生地。
時代を問わずに世界中で使われてきたのには、その機能性はもちろん、肌触りのよさや独特の質感に魅了される人が後を絶たなかったからかもしれませんね。
夏はまだまだこれからですが、一足先に涼しげなファッションアイテムを揃えて、ワードロープを豊かにしながら、これからの季節に備えてみてはいかがでしょうか。